2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

湧水の欠片

破壊的な暑さ騒がしい セミの合唱アスファルト 焦げて照り返しに イラつく 肩に タオルかけ水汲み場に 並ぶ人たち天然水 湧きだす水 売店に サンダルアイスコーヒー かき氷ぼやけた 頭 竹林の先用水路陰になって 清水 流れる岩に腰かけて裸足で 冷たい水の中…

汽車に揺られて

ガタン ゴトンガタン ゴトン二両編成の汽車に乗る のどかな田園風景 ガタン ゴトンガタン ゴトン体 揺れる ぼんやりと景色眺める ガタン ゴトンガタン ゴトン体 揺れる眠くなる ガタン ゴトンガタン ゴトン無人駅 アナウンス 赤 白 黄色 青 ピンク色とりどり…

ザリガニとり

幼い日母と姉とわたし暑い日に三人 仲良く 手を繋ぐ めがね橋 仲良く 並んであぜ道を通り抜け ゆっくりと ゆっくりと川に降りる 木々の陰に ホッとして冷たい川辺にしゃがみこむ 手作りのちいさな竿川の底糸を垂らす ちいさな ちいさな ザリガニが糸の先に …

パッチワークの思い出

ループの途中くるくる 廻る 金色の絨毯 広がる黄金色の世界 川が流れ金色の稲が揺れる トラックのエンジン音に体 揺さぶられながら母と並び眺めてる。 旋回する 小型機の 窓に 広がる黄金色のパッチワーク 心 震えたあの日 美しい黄金色 煌めく 命

くねくねと急傾斜の山道恐る恐る ハンドル握る アクセル いっぱい 踏み込んで肩をいからせ走らせる。 「ここから見る湖が素敵なの」杉の木横に見て眼下に広がる碧い湖畔 龍伝説がある湖の神々しい輝きにしばらく 我を 忘れてる 神話の世界 覗き見る龍伝説と…

磯辺

岩場 遊び 波寄せて 戻れない 岩場 遊び潮満ちて 戻れない なにもかも投げ出して戻りたい 儚い 夢。

ザクロのはな

濃い緑のなかに鮮やかなオレンジ色コントラストが美しい ザクロの花涼しげに初夏を告げる朱色の花 ギリシャ神話に思いを馳せるたおやかな姿微かな哀しみ漂わせ 初夏を告げる優美な姿。

海辺の老人

むしゃくしゃして海に向かった 世の中のすべてが敵にみえた 意地悪な太陽絡みつく 暑い砂波打ち際に 立ってみる生ぬるい海水サンダル 濡らす日傘さし浅瀬にうかぶふたつの大きな岩 ギラギラ太陽頭 ふらつきバランス 崩れる 振り返ると痩せた老人と猫 日に焼…

川で蟹とり

お母さまの目を盗んでね 川で蟹とりしたのよ遠い目をして幸せそうに話す 祖母 ばれたらたいへんだからどきどきしてね楽しかった 夜 汽車が通ってね暗闇に 連なった 明かりが走るのよ びしょ濡れになって川で蟹とりしたのよ 蟹を煮付けて 頬張る 祖母眺める …

碧い海

カーブを過ぎると突然現れる紺碧の海 白い波 争うように岩にぶつかる 車降りて 岩に腰かける ふざけて 騒ぐ若者たち 失った時間失ったすべて 岩に 白い波力強く砕け散る。 見失った時間過ぎ去った人たち 為す術もなくただ独り岩に腰かける。

霧の山頂

遠足で山に登った 朝から気が重い 頂上にたどり着き座り込む 急に霧が 辺りを 包む刺すような 雨風 ガタガタ 震える身体 怒り わきあがってくるバカみたいこんなとこ来たくなかった みんなから 遅れてひとり 口とがらせて滑りながら 下山する 温かい なにか…

入道雲

青い空芝生に寝転び入道雲 もくもくと 力持ちガツンと まぶしい入道雲 青い空芝生に寝転び眼を閉じる 暑苦しいな 自己主張 激しくて鬱陶しい入道雲 ボール遊びちいさな 坊やたち青い空指差して「あの雲、ソフトクリームみたいだね。」ボールを 抱き抱え笑い…

ほうせんか

「君想う 爪を染めし 鳳仙花」赤 白ピンク紫と、 色とりどりの鳳仙花 風に揺られてぷるぷるとそよぐ 姿愛くるしい。 「君想う 爪を染めし 鳳仙花」 マニキュア 塗るたび思いだす。 どんな気持ちで詠んだのか 見知らぬ亡き人の淡き想い出 胸 宿る。

まんまるお月さま

ハチミツ色したお月さま いつものお庭 異空間。 ドキドキしながらカーテンを 身体に巻きつけ覗きこむ。 ハチミツ色した 大きな満月 わたしの すべて見透かされているみたい。 しあわせ色した お月さま心 踊る歓びに 満月 見つめて照れ笑い まんまる まんまる…

モクレン

通学路にモクレンの並木道があった。 風邪ひいて久しぶりに学校へ向かった体だるいし学校行きたくないし肩を落としてぶすくれて歩いてた。 誰かに呼ばれた気がして顔をあげる 目の前にまぶしいなごり雪 枯木みたいな並木道白い花が咲き乱れ ぼんやりうっとり…

赤とんぼ

今週のお題「おとうさん」父が死に姉と山の展望台へ行った 深呼吸して下を見下ろす街が遠くに 霞んでみえる たくさんの赤トンボ姉とわたし 山のなか 透きとおる 清い風軽やかな 小鳥の鳴き声。 見るものすべてに意味があるように 感じた。 たくさんの赤トン…

くちなしの花

「あの香りがいいのよ」蕾に そっと 手を伸ばす くちなしの花雨にうたれ下を向く 「可哀想に」あわてて 駆け寄り 手折る母。 昼間のすがたは真珠の輝き月夜のすがたは妖しく色めく 美しさ 朝日に輝き凛と咲く。 「朝露が似合うのね」静かに 頷く。 「この香…

闇夜の風

カツン カタン カツッカツン カタン カツン風に揺られ竹がしなる カツン カタン カツンカツン カタン カタン 風の指揮にあわせ響きわたる竹の生きる音 カツン カタン カツッカタン カタン カツン 風にしなり 竹と竹がぶつかり合うザワ ザワ ザワ竹の葉 ざわ…

飛行機雲

晴れた昼下がりぼんやりバスを待っていた 「ねぇ、雲」空を指差した女性「なんで、雲はできるの?」ビー玉みたいな瞳「水が蒸発してできるんだと思います。」たじろぎながら答える。「あの長いのは?」飛行機雲を指差す「飛行機のエンジンからでる水蒸気が氷…

野良猫

庭に 野良猫がいた。 黒と白の野良猫 黄色と青い目をしてた なんとなく 目が合って なんとなく かまってみたくなった。 声をかけてみる。 猫 そっぽ向く わたし 知らん顔 猫 寄ってくる。 わたし しゃがんでみる 猫 とびあがり 逃げる わたし 立ち上がる 猫 …

クリスマスツリー

ヘッドライト 消し暗闇にしのびこむ。 静けさのなかひとつふたつひかりが動くじっとりと重たい空気 身体 まとわりつく汗に濡れ 動き 引き留める 袖 ゆっくりと手を伸ばすふわりと ひかり 手のひらに たくさんのひかりの点滅 美しく時間を忘れて 立ち尽くす。…

とうめいにんげん

なにもかも諦めようなにもかも諦めて生きる屍。 なにもないなにもないなにもない心のなか。 透明人間からっぽの心。 他人を傷つけず自分を傷つけてきた自分を傷つけず他人を傷つけてきた自分を守るためもうこれ以上傷つかないため心閉じた。 なにもかも 諦め…

紫陽花

妖しくひかる苔暗く淀んだ山道生温い ベタつく風。 杉林に突然 広がる 一面のピンク色 杉のなかにたくさんの紫陽花 一瞬で心奪われる。 蒸し暑さも苛立ちもすべてなくなり 宙に浮く。 気怠げな風が吹き小鳥さえずる。 妖しく誘う紫陽花の艶やかな姿風に吹か…

薄っぺらの三日月

黒い稜線三日月 ひとり。 きりりと肌刺す冷たい風に傷口ポカッと開いた痛み。 紙切れみたいな三日月 ひとり意地っ張りの頑固者涼しい顔して 三日月 笑う寂しいくせにあまのじゃく。 仁王立ちして 丸裸何も持たずに 戦う 馬鹿者涼しい顔して 三日月 笑う およ…

梅シロップ

梅の季節やってきた。 梅の香り部屋中に 幸せの記憶へと 誘うの へたをとり可愛い梅の実転がって 丸い梅の実残酷に あちらこちら 傷つける カラン カランと氷砂糖をポロン ポロンと果実の涙に 手を濡らし蓋をして待ちましょう。 カラン カランと氷砂糖。ポロ…

ハーモニー

人生ってさダンスだと思ってた。上手にステップ踏んでけして 決して間違えぬように 気をつけて気をつけて。これで、よかった?これが、正解だった?周りの正解が正解だって思い込んで苦しんで。不器用に不恰好なステップ聞こえてくる嘲笑い 不器用で不恰好な…

異国の人

大きな瞳褐色の肌に真白のドレス美しい花嫁祝いの宴 心美しい若き花婿歌に酔いしれ踊る人達 生きている。生きている。異国の人の熱いエネルギーただ、存在する。ただ、存在する。 燃えたぎる熱いエネルギー。生きていること。 愛ある人達と共にあること。そ…

清水の泡

湧水の池透き通る水ふわふわ揺らぐ水草たち目を細め、池のなかを見つめるプクプクと、泡のたつのをみつける なんども なんどもなんども なんども泡たつたびに、小石がざわめく。 「あの小石。なに話してるのかな?」ふと聞こえる声。見知らぬ幼子 清水に似た…

雨音

雨の音不思議ね。とても気持ちが、落ち着くの。子どものころ雨に濡れて歩くのが、好きだった。いまは、傘に落ちる雨の音が好き。車に落ちる雨の音も好き。雨音のコンサートとても気持ちが落ち着くの。ポタン パタン パラパラ いろんなタイミングで奏でる雨の…

ピンクの薔薇

庭に薔薇が咲きました。ピンクの薔薇が咲きました。大きな薔薇が咲きました。 風にゆらゆら 揺れながらほのかに 香りを ふりまいてかわいいピンクの薔薇の花妖艶な 香りを 漂わせ毎年、誰を 待ってるの。 ピンクの薔薇が咲きました。かわいいピンクの薔薇だ…