2019-06-22 川で蟹とり お母さまの目を盗んでね 川で蟹とりしたのよ遠い目をして幸せそうに話す 祖母 ばれたらたいへんだからどきどきしてね楽しかった 夜 汽車が通ってね暗闇に 連なった 明かりが走るのよ びしょ濡れになって川で蟹とりしたのよ 蟹を煮付けて 頬張る 祖母眺める わたし。 おかあさまに内緒でね川で蟹とりしたのよ一匹もとれなかったけどね 楽しかったわ裸足で土手を歩いたの 幼い頃の 懐かしい 想い出 気位の高い祖母孤独な人思い出を食べて生きていた。 川で蟹とりしたのよ。 何度も何度も繰り返す。