2019-06-23 海辺の老人 むしゃくしゃして海に向かった 世の中のすべてが敵にみえた 意地悪な太陽絡みつく 暑い砂波打ち際に 立ってみる生ぬるい海水サンダル 濡らす日傘さし浅瀬にうかぶふたつの大きな岩 ギラギラ太陽頭 ふらつきバランス 崩れる 振り返ると痩せた老人と猫 日に焼けた 黒い肌白いあごひげだぶだぶの服茶色の猫 老人黙ったままわたしを見る わたしのなかのすべてを射抜く 鋭い眼光 心 凍る唾を飲み込む 逃げ出す わたし 足もつれ熱したアスファルト倒れこむ惨めさ情けなさ苛まれ身動きとれずしゃがみこむ。 眼光がわたしを責める。追いかけてくる追いかけてくる。 どこまでもどこまでも。