ちいさな温泉

車で10分 

古い小屋


母に付き合い

目をこすり

起き抜けに    向かう



朝   5時半

ちいさな温泉




夏休みの中学生には

ハードな時間

ちょっと  寝とぼけて

車     乗り込む




サイモン&ガーファンクル

コンドルは飛んでいく

サウンド・オブ・サイレンス



甘く   優しい   歌声

切ない  旋律   




ちいさな温泉にいつも流れていた

サイモン&ガーファンクル



聞いたことのない

大人の歌





小窓から   

柔らかな    朝日   射し込み

湯けむり   ゆらゆら   歪む



哀愁の旋律

薄暗い洗い場



大人の場所に

迷いこんだ     わたし



大人の世界を

覗きこむ




艶やかな白い肌

いつも一緒になる

綺麗なお姉さん

霞む   湯けむり




サーモン&ガーファンクル

聞きながら

湯船につかる



コンドルは飛んでいく

教えてくれた

お姉さん



旋律がたまらなく好きなのよ

泣いてもいいよって

言ってくれてるみたいな声



遠くを見つめる

淡い      まなざし




薄暗い洗い場 

柔らかな朝日   妖しく   ゆらめき

甘い香り     漂う




サーモン&ガーファンクル

ちいさな温泉

綺麗なお姉さん

艶やかな白い肌




夢のような

朝の情景