あざみの花

通学路

あざみの花  紫色を見かけると

自転車から降りて

手を刺す   刺

我慢しながら

手折る



家に帰り

祖母の部屋へ

編み物をする   ちいさな背中

花瓶にいけた

あざみ


紫色の凛とした   佇まい

刺のある

簡単には人を寄せ付けない  気高さ


どこか   祖母に似た

あざみの花


見かけると   

思い出す



あざみの花を   乙女のように

喜んで

いとおしげに   眺める

祖母の純粋な眼差し



あざみの花

見かけると  

思い出す



祖母の笑顔